遊びでつなぐ社員紹介 019

確かな画力と、目には見えないストーリーへの
こだわりが、ゲームの世界観を左右する。

ビーチサンダルに、麦わら帽子、手には熊手を持って、準備万端。普段、室内にこもってゲーム作りにいそしむ二人は、久しぶりの海を前にしてハイテンション。ギラギラと照りつける日差しをものともせず、「うわ、貝だ!しかもけっこういる!」「こっちには蟹がいますよ!」とはしゃぐ二人は、まるで子供のよう。遊び終えて、木陰で休む二人の肌は、心なしか赤く染まっていた。

イラストレーター(背景師)

Koichi M.

土木作業員、ラーメン屋、コンビニ店員などを経て、アニメの制作会社に就職。そこで出会った凄腕の先輩背景師の背中を追う形で、2012年にgloopsへ入社。先輩の教えを胸に、日々技術の向上に励んでいる。

聞き手 / ディレクター Koichiro Y.

イラストレーターになる前は、色々なお仕事をされていたんですね!

Koichi M. 高校を卒業してから、やりたいことが全然見つからなくて、手当たり次第に職を転々としていました。でもやっぱりもっと一生懸命になれる仕事に就きたくて。何なら頑張れるだろうって、ずっと考えていたんです。その時に自分の過去を振り返って、小学生の頃、朝5時に起きてアニメのキャラクターや、戦闘機の絵を描いていたことを思い出したんですね。そういえば、昔から絵を描くのが好きだったな、と。そこで、絵を描くことを仕事にしようと思い、未経験でも学びながら働かせてくれる場所を探したところ、とあるアニメスタジオに入れてもらえて。そこではじめて、アニメの背景師という職業に出会いました。

アニメ業界から、ゲーム業界に転職したきっかけはなんだったんですか?

Koichi M. アニメの背景師の仕事って、多くが発注元から届く設計図をもとに、パーツを切り貼りする作業なんです。その作業に求められるのは、画力というよりもスピードと正確さ。もともと絵を描きたくてこの世界に入ったので、このままじゃ上手くなれない、と危機感を感じていました。そんな時に、社内でも飛びぬけて画力が高く、僕が最も尊敬していた先輩がgloopsに転職したんです。絵を描くことに関して、とにかく一から鍛え直してもらいたくて、先輩の後を追って僕もここに来ました。入ってすぐの頃に、その先輩から「ただ言われた通りに描くのではなく、自分らしいプラスαを意識してもっと遊んでみろ!」と言われたことがとても印象的でした。

実際gloopsに来てみて、どうでした?

Koichi M. 入社してまず感じたのは、自分のゲーム背景に対する画力の未熟さでした。画面構成力も、色使いのセンスも、アイデアの引き出しも、すべて足りない。中でも、最も面食らったのが「世界観づくり」というプロセスです。僕が以前の職場で制作に携わっていたアニメの場合は、現代を舞台にしたものが多かったんです。その場合、描かれる世界は前提として「現実世界に似た場所」なので、現実にあるものを描けばよかった。ですが、gloopsに入って最初に携わったコンテンツのマジゲート※は、ファンタジーの世界だったので、世界観を一から作りこむ必要がありました。前提のない状態から、一つの独立した世界を成立させる難しさは、これまで経験したことがなかったので、本当に苦労しましたね。ただ、このプロセスは「自分でゲームを作ってる!」という実感があって、すごくやりがいを感じました。

「世界観づくり」で、一番苦労することはどんなことですか?

Koichi M. 世界観の描き分けですね。例えば、「海を描いてください」というオーダーがあったとします。その時に、まず考えなくちゃいけないのは、海は海でもどういう海なのか、ということ。その絵が使われるタイトルがファンタジーなのか、ホラーなのかによって、描くべき「海」は全然ちがってくるんです。背景はキャラクターのイラストと喧嘩しないように、なるべく少ない描き込みで仕上げる必要があります。ですが、少ない描き込みでシンプルに仕上げながらも、世界観をきちんと表現しなくては意味がありません。未熟な画力しかなかった僕にとっては、その描き分けが本当に難しくて、先輩に自分が描いた絵を見てもらっては、何度もやり直した記憶があります。

「世界観づくり」における、Koichi M.のこだわりを教えてください。

Koichi M. 自分がつくった世界観にユーザーさんがすんなり入り込めるように、描く絵に説得力を持たせることです。そのためには、その絵の背景にあるストーリーをはっきりと言語化して考える必要があります。例えば先ほどのような海の場合であれば、自分なりに「ファンタジーの世界では人々にとって海はこんな存在で、こんな色をしているのは海にこんな歴史があるからで…」と想像の中で海の背景にあるストーリーを膨らませながら、要素を一つひとつ、一枚の絵に落とし込んでいきます。言語化したストーリーの多くは、画面上からは読み取れません。ですが、単にお手本を模写した絵と、ちゃんと後ろにあるストーリーまで意識して描いた絵とでは、明らかに仕上がりに差が出てくる。描いた絵について、プランナーなどにプレゼンテーションする時にも、ストーリーがあると「あ、なるほどね」という気づきにつながり、世界観が広がるきっかけにもなります。そういう意味で、一枚の絵の奥にある目には見えないストーリーこそが、ゲームの世界にリアリティをもたらすと考えているので、その部分にはこだわりを持っています。

これからgloopsに入る人に向けて、メッセージをお願いします。

Koichi M. ゲームを作るには、豊かな想像力が必要です。ですから、幼少期からいろいろなフィクションに触れて、気づいたらちがう世界のことを妄想しちゃってる、くらいの人のほうが、向いている仕事だと思います(笑)やれと言われたことを、ただやることに飽き飽きしている方、アイデアを出したくてうずうずしている方、gloopsには刺激的な環境がありますよ!ぜひ一緒に、おもしろいゲームを作りましょう!

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